対話による吉田寮問題の解決を求める要請書

「対話による吉田寮問題の解決を求める要請書」呼びかけ人のメッセージ、多様な立場からの応援メッセージ、関連情報などを掲載するブログです。

吉田寮訴訟の撤回と対話による解決を求める要請書

[2024/2/18追記]

「対話による吉田寮問題の解決を求める要請書」(2019年)を出した京都大学教員(元教員を含む)を中心として「吉田寮訴訟の撤回と対話による解決を求める要請書」を起草して、2023年7月20日に湊長博総長、國府寛司学生担当理事に提出しましたが、総長および担当理事からは「係争中」ということで回答がありませんでした。

2024年2月16日の京都地裁判決を受けて、新たな声明を準備中ですが、従来の要請書への賛同募集もさしあたり継続します。

要請書の趣旨にご賛同いいただける方は、 こちらのGoogleフォームりご賛同ください。教職員と学生と一般市民とを問わず、賛同を受け付けますが、とりわけ大学執行部の決定に対して責任を分有せざるをえない現役教員の賛同を広く集めたいと思います。お知り合いに京都大学の教員がいましたら、「あなたはこの署名に賛同しないのか?」と問いかけてください。


2023月7月20日

京都大学総長     湊  長博 殿 

京都大学学生担当理事 國府 寛司 殿

 

吉田寮訴訟の撤回と対話による解決を求める要請書

 

 2019年4月26日、京都大学執行部は吉田寮現棟(食堂棟を含む)からの立ち退きを求めて、20名の学生を提訴しました。大学当局がそこで学ぶ学生を提訴し、授業期間中であるにもかかわらず学生を法廷の場に引きずり出すという、極めて異常な事態が生じたことに対し、わたしたち教員有志は同年7月1日に「対話による吉田寮問題の解決を求める要請書」を提出し、訴訟の撤回と、寮自治会との対話による問題の解決を訴えてきました。その後、翌2020年3月31日に新たに25名が追加で提訴され、合計45名の寮生・元寮生が被告とされています。以後、現在に至るまで、吉田寮生たちは15回に及ぶ口頭弁論、2回の証人尋問への対応を強いられ、その都度膨大な時間と労力を投入させられてきました。その間、吉田寮自治会は一貫して大学当局との対話を求めてきましたが、大学執行部は対話に応じてきませんでした。
 2023年6月1日には、裁判上の和解を協議する場として進行協議が裁判官により設定されました。しかし和解は不成立に終わり、このままでは原告である京都大学が自ら裁判を取り下げない限り、10月5日にも最終口頭弁論が行われ、結審を迎えることとなります。学外に委ねられた裁判で、どのような判決が下されようと、大学側と学生の間の溝が決定的に深まり、将来にわたって大きな傷痕を残すことは避けられません。
 裁判の過程において、大学側が寮自治会とのあいだで締結してきた合意文書(確認書・確約書)の無効性を主張したのに対して、寮自治会側では寄宿舎に関する決裁権限を持つ副学長が合意文書に署名し、新棟建設・寮食堂の耐震補修にあたっては実際にこの合意に基づいて予算執行がなされた事実などを挙げてその有効性を主張、学生委員であった元教員も合意文書の作成過程に即して大学と寮との正式な約束であることを証人として証言しました。老朽化対策という点では補修案が具体的に話し合われてきたにもかかわらず、大学側が一方的に老朽化対策にかかわる話し合いを打ち切ったことが明らかとなりました。
 吉田寮は、すべての学生に就学の権利と機会を保障するための重要な福利厚生施設です。経済的な格差の拡大が深刻化するなかで、ますます大きくなりつつあるその重要性を、寮生である学生自身がこの間の証人尋問の中で何度も訴えていました。わたしたちは教室で学生と向き合う教員として、学生の訴えに真摯に耳を傾けるべきだと思います。
 わたしたちは、原告・京都大学が、吉田寮現棟明け渡し訴訟を直ちに取り下げ、寮生たちと対話による解決を図ることを強く要請します。

 

呼びかけ人(2023年10月3日10時現在。あいうえお順。*は前回の呼びかけ以後に退職または転出した元教員)
浅利美鈴、芦名定道*、足立芳宏、安部浩、石井美保、伊勢田哲治、伊藤正子、岩谷彩子、大河内泰樹、大澤直哉、岡真理*、岡田温司*、風間計博、梶丸岳、川島隆、川濵昇、木村大治*、小関隆、小林哲也、駒込武、小山哲※、酒井敏*、阪上雅昭*、佐藤公美、佐野泰之*、塩田隆比呂*、清水以知子、重田眞義*、高嶋航*、高山佳奈子、立木康介、ティル・クナウト、中嶋節子、中筋朋、西牟田祐二*、福家崇洋、藤原辰史、細見和之、松本卓也、水野広祐*、ミツヨ・ワダ・マルシアーノ、宮地重弘、横地優子、和久井理子

 

吉田寮訴訟をめぐる主な出来事(2015年~2023年)

 

2015

2月12日

杉万俊夫学生担当理事副学長が吉田寮自治会との団体交渉において「確約書」を交わし、吉田寮現棟の老朽化対策について「大学当局は吉田寮の運営について一方的な決定を行わず、吉田寮自治会と話し合い、合意の上決定する。」「入退寮者の決定については、吉田寮現棟・吉田寮新棟ともに現行の方式を維持する」ことなどを約束する。

2017

12月19日

京都大学が「吉田寮生の安全確保についての基本方針」を公表、吉田寮現棟老朽化の下で「可能な限り早急に学生の安全確保を実現する」ことが緊急の課題であるとして、新規入寮の停止と全寮生の退舎を求める。

2018

8月28日

川添信介厚生補導担当副学長が「「吉田寮生の安全確保についての基本方針」の実施状況について」を公表、吉田寮自治会と大学当局との間におこなわれてきた団体交渉について「衆をたのんだ有形無形の圧力の下」に行われたものであり、歴代の学生部長・副学長による「確約書」への署名は「半ば強制された」ものであるから、「確約書」の内容に「本学が拘束されることはない」という見解を示す。       

2019

2月12日

京都大学が「吉田寮の今後のあり方について」を公表、現棟(食堂棟を含む)の立入禁止を宣言するとともに、6条件(「寮生又は寮生の団体として入寮募集を行わないこと」「現棟に立ち入らないこと」等)を認めた場合にのみ新棟への入居を認めるという見解を示す。

2月14日

京都大学教員有志、「吉田寮問題にかかわる教員有志緊急アピール」を公表、「中断中の吉田寮自治会との対話を再開させること」「全寮生退去の方針を見直すこと」「新棟の継続利用と自治寮としての慣行を認めること」「現棟の耐震化を含む今後の利用法について吉田寮自治会と協議することの4項目を求める。

2月20日

吉田寮自治会が「表明ならびに要求」を公表、2条件(食堂棟の利用と清掃・点検のための現棟立ち入り)が認められるならば全寮生が新棟に移転するという見解を示す。

3月13日

川添信介厚生補導担当副学長が「吉田寮自治会の「表明ならびに要求」について」を公表、吉田寮自治会が提示した2条件を拒否、新棟への居住移転については大学執行部が提示した6条件を認めることが前提という見解を示す。

4月26日

京都大学「吉田寮現棟に係る明渡請求訴訟の提起について」を公表、20名の学生を被告として京都地方裁判所に提訴。

4月27日

京都大学教員有志、「京都大学執行部による吉田寮生提訴にかかわる緊急抗議声明」を公表。

5月27日

川添信介厚生補導担当副学長が「吉田寮現棟の明渡請求訴訟について」を公表、提訴の理由として、度重なる退去通告に従わなかったことなど現在の吉田寮自治会は「責任ある自治」の担い手とみなしえないという見解を表明。

7月1日

京都大学教員有志、「対話による吉田寮問題の解決を求める要請書」を公表、「吉田寮現棟明け渡し訴訟を直ちに取り下げること」「現寮生の新棟への居住移転と旧食堂棟の利用を認めること」「管理・運営上の問題については、居住移転により「寮生の安全確保」を図った後に、寮自治会との対話により解決すること」を求める。

7月4日

京都地方裁判所において第1回口頭弁論。

7月16日

尾池和夫元京都大学総長、インタビュー記事(広瀬一隆「京都大吉田寮問題とはなにか―大学自治の行方」『SYNODOS』)において、大学側が吉田寮自治会とのあいだで積み重ねてきた確約書を「半ば強制的に結ばされたこともあった」という理由で反故にしたことについて、「勝手に何を言ってるんや。歴史を書き換えるのか」という疑問を提示。

2020

3月31日

京都大学、25名の学生を被告として京都地方裁判所に追加提訴。

2023

6月1日

京都地方裁判所が、裁判上の和解について協議するための進行協議の場を設定。和解は不成立。

 

厚生課からの「回答」を受けて賛同の呼びかけを続けます

要請書についての懇談を総長と学生担当理事宛に申し入れていましたが、10月3日(火)に厚生課より呼びかけ人のひとりである佐藤公美さんのところに次のような回答がありました。

教育推進・学生支援部厚生課です。
2023年9月8日付湊総長及び國府理事宛文書にて要望のありました懇談の件
につきましては、.係争中の事案に関することであり、対応いたしかねるこ
とになりましたので、その旨回答いたします。

この回答ともいえぬ回答はとても承服しかねるものですので、判決ぎりぎりまで賛同のよびかけを継続し、あらためて面談の申込みをしたいと思います。10月5日の期日間際に追加の名簿を提出する作業もいったん見合わせ、あらためて提出することにしました。

とりわけ現役の教員の方には呼びかけ人として名を連ねるとともに、教授会その他の場を通じて吉田寮問題について情報を共有し、意見交換をする機会を設けていただきたいと思っています。これまでに賛同された方でも、今後賛同された方でもけっこうですので、呼びかけ人になってもよいという方はすでに呼びかけ人として名を連ねている方までご連絡ください。

第二次集約を9月末日に設定します!

この1週間で賛同者が2倍以上に増えました!ご協力をありがとうございます。

9月5日を第一次集約としていましたので、第一次集約までの賛同者の名簿(名簿に名前を載せないでほしいという方を除く)を8日に提出します。

ですが、まだ知らなかったという声も聞こえてきますので、第二次集約を9月末日として引き続き賛同者を募集します。

10月5日の最終口頭弁論前に提出が行われますので、その前に追加の賛同者名簿を提出したいと思います。

引き続き知人、友人に呼びかけを広げていただければ幸いです。

賛同者数と賛同者からのメッセージ(9月5日10時まで)

〇これまでの賛同者数(呼びかけ開始からの累計)

①京都大学の学生(非正規学生や院生を含む)…52名
②京都大学の職員(非正規の方を含む)…9名
③京都大学の教員(助教、講師、准教授、教授)…69名
④京都大学の元教員・非常勤講師・ポスドク(任期付研究員等)…24名
⑤京都大学の元学生…45名
⑥京都市民+その他…53名
合計 252名

〇賛同者からのメッセージ

  • 大学が学生寮を法的に訴えるという異常事態。訴訟の撤回により、一日も早く寮生活が正常化されることを願います。もちろん、吉田寮そのものの存続とともに。
  • 一連の騒動に強い違和感を持っています。
    大学当局の思い通りにしたいがために弾圧しているように見えてならない。 
    話し合いに応じないなど、当局の完全な努力不足ではないだろうか。
    (現在は退任されているようですが)コミュニケーションや哲学を専門にした学者が長として名を連ねているにも関わらず、このようなやり方しかできないようでは日本の学問の現場も先が思いやられる。そうせざるを得ないような何かがあったのだろうか?
    人として大切なものを失わないでほしい。
    京都大学にしかない、そこにしかない大切なものをなくさないでほしい。
  • The Yoshida dorm is arguably the last stronghold of Kyoto University's essence. This dormitory is a place to gather, to eat, to socialize, to live, for our students who need this refuge from what KU has unfortunately evolved into over the years - just another university without a unique character. The Yoshida dorm is not only a stronghold but a symbol of KU's identity as it embodies the spirit of free speech, acceptance, and any form of self-expression. Everyone is accepted there regardless of creed, race, and sexual orientation. Destroying this dormitory would extinguish the flame of a freedom torch that has been lit for over 125 years. Why on earth would this sacred place be demolished? Let us engage in a friendly dialogue regarding our feelings for our university and the essence of its character. We are losing tradition, which must be preserved, especially in this case. Let's keep our traditions alive and at the same time come to a peaceful mutual understanding. -- だる好き 
  • この裁判では、大学が何のために寮生を退去させ、何をしようとしているのかがわかりません。建物倒壊の危険性に対する緊急の安全確保が理由でしたが、4年もの長い裁判をしている間、なんの耐震対策も講じられていません。学生寄宿舎の将来像についても、何のビジョンも示されていません。吉田寮は築100 年を超える、歴史的・建築的価値の高い建物です。専門家によれば、適切な補強をすれば,これからも長く住み続けられるということです。京都大学はこの無意味な裁判をすぐにやめて、吉田寮の耐震化と将来についての建設的な議論を、実際に居住する学生たちと始めるべきときだと思います。
  • 大切な時間を有意義に使うためにも、早期の解決を望みます
  • 吉田寮は京都市民にとっても、さまざまな文化や運動に触れられる貴重な場所だと思います。心から連帯の気持ちを送ります。
  • 自分はヒッチハイクなどの活動によって吉田寮が体現している「自由」という概念が京都大学を含めた、すべての大学において最も重要な要素であると考えている。これからの大学における「自由」な学びのためにも吉田寮は残ってほしい
  • 学生時代には、女子寮に住んでいました。自治寮で学ぶことは多かったです。大学こそ率先して、民主主義を大事にして欲しいです。
  • OBです。頑張って!
  • 裁判が長引くこと、本当に大変かと思います。情けない京都大学に悲しくなります。
  • Please, do the right thing 
  • キレイな世の中を望む人々の「キレイ」を私は綺麗だとは思わない。
  • I dint't think lawsuit will be a good solution for a dormitory that has a long history.
  • 吉田寮は若者たちの大いなる実験場であります。自身の頭で考え、実践する修練の場であります。おとなたちは大きな心で、若者たちの成長を見守らなければなりません。大学当局はすぐに訴訟を取り下げ、若者たちの声に耳を傾けるべきであります。
  • 京大生ではありませんが何かお力になれたらと、署名させていただきました。
  • 私にとって吉田寮は、所用で訪れた時に通された部屋で待つ間に感じた古い木造建築独特の静けさや吉田南4号館の教室で聞く鶏の声など、心の安らぎを与えてくれるものでした。この訴訟は京都大学の構成員の意向とは無関係に大学の上層部が勝手に起こしたもので、教授会が無力化され、教授会を中心とする大学の自治が破壊されたことを象徴する非常に残念な出来事の一つだと思います。
  • 私は難しいことは分かりませんが、吉田寮は国立大学の学生寮であり、公共の建物ですし(個人の所有する建物ではない)、歴史的(日本に現存する最古の学生寮)・建築的に価値のある建物なので、取り壊さずに修復して残して行かれることを望みます。
    吉田寮を壊してしまうのは簡単ですが、壊してしまえばもう二度と元に戻ることはありません。
    京都大学の総長様が訴訟を撤回し、学生たちと対話を通して問題解決されますよう、祈っています。

第一次集約を9月5日に延期します

このblogにおいて第一次集約を8月末日と告知していましたが、9月5日(火)に延期します。その後、賛同者の名簿をとりまとめ、賛同者からのメッセージの抄録を添えて総長・学生担当理事宛に提出し、あわせて吉田寮訴訟について教員有志との面談を求める予定です。

ぜひ賛同の呼びかけを周囲の方に広めてください。

賛同者数と賛同者からのメッセージ(8月31日10時まで)

〇これまでの賛同者数

①京都大学の学生(非正規学生や院生を含む)…29名
②京都大学の職員(非正規の方を含む)…3名
③京都大学の教員(助教、講師、准教授、教授)…40名
④京都大学の元教員・非常勤講師・ポスドク(任期付研究員等)…11名
⑤京都大学の元学生…29名
⑥京都市民+その他…42名
合計 154名

〇賛同者からのメッセージ

  • 吉田寮、素晴らしい場所だと思っています。心から応援してます!
  • 一方的に訴訟という形を取り、学生たちを法廷に呼び出し心身に重圧を与えるだけでなく、当の訴えた大学執行部は法廷に出てこない。こんな非常識なことがありますか?学生たちに謝罪をし、訴訟を撤回すべきです。京都大学が学生のために吉田寮からの立ち退きを要求しているのではない、ということがこの事実の一端をとってもよく分かります。
  • 話し合いでの解決を望みます。
  • 対話による健全な問題解決を強く望みます。
  • 経済的、家庭的事由により苦しい立場にある学生の福利厚生施設を廃止するのは、学問の府が行うことではない。
  • おせわになりました
  • 政府の意を受けた自治寮廃寮化攻撃は許せません。学生を分断・抑圧する湊体制を打倒して、大学を学生の手に奪還しましょう。
  • 開かれた場で自分たちのあり方を不断に問い直す営みを欠いた大学は、ただただ既存の権力構造を下支えし再生産する場にしかならないと思います。
    自治を解体する目的で建物の老朽化対策を疎かにし、なおかつその責任を当事者に転嫁し、当事者の「命」を口実に立ち退きを迫る大学執行部を絶対に許しません。
  • 京大当局は吉田寮生と話し合いによって解決を求めるべきです。過去の協約や約束を反故にしないで下さい。
  • 言論で合意に至るのが民主主義の理想。多数決や裁判所による判決は本質ではない。本質に背くことを大学がやるべきではない。
  • 歴史ある吉田寮が保存され、(必要な修繕の下で)学生たちが住み続けられるようになることを願っています。
  • 学生の勉学の時間を奪う訴訟はすぐに取り下げてもらいたいです。
  • 京都大学におけるわたしのゼミにも寮生である学生がいます。法廷で証言した際には、吉田寮がなければ経済的困窮のために学生生活を続けてこられなかったと語り、今もアルバイトの夜勤明けでこの場に座っていると語っていました。準備書面の作成にも膨大な時間が費やされているようです。学生たちが訴訟のために本来ならば学修・研究に割くべき時間を削られる状況はあまりにも理不尽であり、学ぶ権利を侵害するものです。しかも、大学側は「被告」とされた学生たちの納付している授業料を含む収入によって、この訴訟のために弁護士報酬を支払っています。
    かりにこの訴訟で原告たる大学の訴えが却下されたとしても、原則が控訴し、学生たちのさらなる身体的・精神的な消耗をもたらす可能性が強いことでしょう。訴訟を提起することは重要な権利ではありますが、原告たる大学と被告たる学生の圧倒的な力関係の落差も考慮に入れるならば、この訴訟は「言論や運動を威圧する目的、経済や時間や労力的に消耗させる目的、見せしめにする目的」で用いられる「スラップ訴訟」と評せざるをえません。
    今からでもまだ遅くはありません。京都大学は自らの名誉と社会的信用の回復のためにも訴訟を取り下げ、寮の耐震補修について寮自治会との話し合いの場に臨むべきです。(教育学研究科・教員・駒込武)

    参考:「スラップ訴訟」の目的および問題点(https://legalet.net/what-is-a-slap-lawsuit/

    スラップ訴訟が提起される目的及び問題点の1つ目は、威圧効果です。法外な損害賠償により、スラップ訴訟を提起された者を不安な気持ちにさせ、これ以上の言論や運動、発言等が委縮されることになります。…

    スラップ訴訟が提起される目的及び問題点の2つ目は、消耗効果です。スラップ訴訟が提起されることにより、被告とされた者は、代理人弁護士を付けるための費用、反論のために事実関係を整理し証拠を集める時間を消耗することになります。そして、これに伴い、肉体的精神的疲労も蓄積されていきます。…

    スラップ訴訟が提起される目的及び問題点の3つ目は、見せしめ効果です。スラップ訴訟が提起されることにより、他の者も関わり合いになることを避けようとして、言論や運動が委縮することになります。

賛同者数と賛同者からのメッセージ(8月4日18時まで)

〇これまでの賛同者(9月4日18時まで)

①京都大学の学生(非正規学生や院生を含む)…21名
②京都大学の職員(非正規の方を含む)…1名
③京都大学の教員(助教、講師、准教授、教授)…23名
④京都大学の元教員・非常勤講師・ポスドク(任期付研究員等)…9名
⑤京都大学の元学生…22名
⑥京都市民+その他…19名
合計 95名

〇賛同者からのメッセージ(9月4日18時まで)

・確約は担当理事が法人におけるその権限のもとに結んだものであることが明らかだ。

・学生さんがひどい目に遭っている。自由の学風に憧れ、学問の大志を抱いて「最高学府」にやって来たであろう学生さんが、あろうことか、当の「最高学府」から訴えられて、ひどい目に遭っている。こんなことを見過ごしていて良いのか?

・頑張って下さい。

・吉田寮そのものに全面的な賛成ではない。しかし京都大学のあり方として、昨今の強権的な大学の態度には感心しない。これはかつて在籍したものとして、大学への希望である。

・「自由の学風」と「自由な学風」とは違うんだという戯言はもううんざりです。

・私の身の周りには、「吉田寮が現在裁判をしている」という情報から、立ち退きを求める大学に対して寮生側が裁判を起こしたという誤解を持っている人が少なくありません。学生である私も最初はそう思っていました。正しい情報を広く発信することは難しいと思いつつも、こうした誤解は、「まさか大学側が(特に罪を犯していない)学生に対して訴訟を起こすことなどなかろう」というごく一般的な認識からきていると思います。大学は、皆が平等に勉学や研究に励める場であるべきです。寮とは関係のない学生であっても、授業、予習、課題、課外活動、バイトなどと日々忙しいものです。経済的な要因ゆえに寮生活をする学生の時間と労力を必要以上に奪い、何より当局からの圧力という精神的疲労を与えるというのはどう考えても大学側がしてはいけないことでしょう。建設的な対話が再開することを望みます。
 まずは、吉田寮訴訟の正しい情報を周囲と共有していきます。

・対話を避け、学生主体の自治を奪い、「言われる通り大人しく言うこと聞いとけ」と言わんばかりの大学側の姿勢がやり方が、今の日本のあちこちで起きてる事と地続きなように思えます。
 地元民でも出身学生でもありませんが、納得のいかない気持ちで注視しています。

・吉田寮側の対応がパーフェクトだったかと言うとそうではないかもしれませんが、京大当局が話し合いを拒否している姿勢は理解できません。国立大学ともあろう組織が、建設的な議論すらできないのでしょうか。

・対話という人間社会においてもっとも基本的であり、貴重なものを教育機関が率先して放棄していることに強い憤りを感じています。まず訴訟を取り下げ、学生たちにきちんと謝罪するところからはじめるべきでしょう。(女性史研究者・小説家・元厨房使用者 山家悠平)

・I write this message in English to demonstrate that the case of Yoshida Dormitory in Kyoto University is widely covered and a rather famous case of student autonomy and culture as part of the National University framework in Japan. Closing the dormitory by using circular means of excuses will not be viewed kindly from prospective students, including international students and faculty. This is a symbolic case, as well as a practical one, and I encourage Kyoto University to carry out this case with dignity.

・京大吉田寮は京都大学の自由闊達な学風の象徴であると共に、長らく実際の揺籃として機能してきた。京大生のみがこの場所で暮らし、語り合い、遊んだのではなく、京都に住む多くの文化人や表現者がここに集い、幾多の化学変化を起こし、京都という文化都市が存続・発展する一助となってきた。
 自由であるが故に京都大学の完全な制御下に置かれることはなかったが、それを許す度量こそが京都大学という日本の誇るトップクラスの大学に求められるものであることは論ずるまでもない。
 世間では人種や国籍、性的志向などにおいて多様性を認めずヘイトスピーチを浴びせかけるレイシズムが大きな問題となっている。多様性を希求する世界の市民が最大の問題とするのはレイシズムだが、多様性を阻むものは単に差別のみではない。
 自らの意に沿わぬものや社会の異分子を憎み、排除を求める心情は誰に対しても向けられ売るが、それこそが何よりも唾棄すべき精神性であることは火を見るよりも明らかである。
 京都大学は即刻吉田寮訴訟を取り下げよ。自由で多様な世界を構築するアカデミアとしての矜持を原点に立ち返って再確認し、自治を認め共生の道を歩め。
 それこそが百年後の京都大学を、そして京都を素晴らしきものとする唯一無二の道である。

・学問の自由を守るために、不抜の共同戦線を構築しましょう!

・対話できる大学であってほしいと心から願います。

・日本最古の木造学生寮をなくしてほしくありません。話し合いと合意をすすめて最善の保存状態で活用されることをのぞみます。

・京都大学がこの問題の解決に民事裁判という手段に訴えたこと自体問題ですが、その裁判における京都大学側の対応もとても誠実とは言い難いもので、教育機関としての見識が疑われます。学生や教員から信頼を得られる執行部となるよう、京都大学現執行部には再考を求めたいと思います。(文学研究科 伊勢田)

・吉田寮自治会との対話に消極的な現状を追認する一方で、「 対話を根幹とした自学自習」を誇張してアピールしている現状のちぐはぐさを、外部の人や教職員、学生の皆さんに想っていただきたいです。

・経済状況が不安定ななか、研究に集中できたのは吉田寮があったおかげでした。私と同じような状況にある学生のためにも、今後も吉田寮が続いてほしいと思います。

・無理せず楽せず頑張って下さい

・1980年代に吉田寮で生活していた元寮生です。密室で決定される吉田寮をめぐる京大当局の姿勢について、学内と学外の両方から注目して声を挙げることが非常に重要だと思います。京大当局はすぐに訴訟をとりさげ、吉田寮の補修を含む未来像について、寮生と話し合いを再開してほしいです。元寮生としてできることにも取り組んでいきたいと思います。

・学生を守るのが大学ではないのですか。敵対して、しかも訴訟をおこすすとは何ごとですか。

・元寮生です。寮がなければ大学に通うことは不可能でした。いつまでも吉田寮があってほしいです。

・大学は、学生が学業に専念できるような環境整備にこそ努めるべきです。対話による解決を強く望みます。